基礎人間問題精構

人間っていいな

人と関わるということ

人と関わるのは難しい。一人一人が自身を形作る概念を持っていて、それをそっと心の中にしまっている。そして、私たちは互いにそれを探り合いながら関係を保っている。人と話すときは、相手の感情が気になってしまう。たとえオープンな関係に見えても、そこには微妙で捉え難い他者との境界線が存在しているのだ。その境界線は相互の深い理解を阻害する。だが、それは身を寄せ合うことで命を紡いできた我々にとって必要なものだと思う。内外を問わず、私たちは常に他者との関わりを持っている。たとえ無人島で暮らしても、自らに繋がれたザイルは外すことができないだろう。そんな我々にとって、隠れる場所は心の中にしかない。自分の避難所は、自分の中にしか存在し得ないのだ。生きていると一人取り残された感覚に陥ることがある。取り残されてなどおらず、最初から一人なのだ。